新潟市民病院医誌
Online ISSN : 2759-7512
Print ISSN : 0389-1453
看護師アンケート調査からみた 新潟市民病院における認知症ケアチーム活動の成果と課題
結城 晶彦他田 正義野﨑 洋明羽入 龍太郎小林 竜司長谷川 哲也諸橋 亜紀子酒井 智行小山 翔鳥羽 宏司清野 京子荒井 洋波多野 亘寺島 達也内山 真理子笠原 勇太佐藤 諒子倉島 裕子常山 暢人小野澤 奈津子佐藤 晶五十嵐 修一
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2022 年 43 巻 1 号 p. 43-51

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抄録
【目的】新潟市民病院における認知症ケア・サポートチーム(DST)活動3年間の成果と課題を明らかに する。【方法】2019年4月〜2022年3月(3年間)にDSTに相談依頼のあった全患者を対象とし、DST活動記録および患者診療録を用いて年間介入実績を調査し、各年度の集計結果を比較検討した。また、同期間の各年度終了時に全看護師を対象に認知症ケアとDST活動に関するアンケート調査を行い、各年度の集計結果を比較検討した。【結果】介入実績調査では、DSTへの年間相談依頼のべ件数(2019年度176件、2020年度247件、2021年度385件)および入院4日以内の早期介入件数割合(2019年度38.6%、2020年度49.1%、2021年度96.4%)は年々大幅に増加した。アンケート調査では、DST活動に対する総合的な評価は年々上がった(総合評価「良い」「やや良い」の割合:2019年度66%、2020年度75%、2021年度76%)。また、認知症ケアへの意識向上、認知症ケアの実践能力の向上、身体拘束についての検討機会の増加、身体拘束の減少、認知症患者の状態の改善を実感できる看護師の割合が年々増加したことが明らかになった。【結論】DST活動3年間の効果が看護師の認知症ケアへの意識や取り組みに現れてきていると考えられた。DST介入の有効性を明らかにするために、今後はより客観的かつ定量的なアウトカム評価を行っていく必要がある。
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© 2022 新潟市民病院
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