日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
一般論文
パラジウムイオンを吸着したカーボン粉末を含む水素吸蔵合金負極の活性化機構の解析
森下 真也藤田 勝義伊東 一彦砥綿 真一阿部 勝司
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2000 年 2000 巻 11 号 p. 773-778

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抄録
パラジウムイオンを吸着したカーボン粉末(Pd2+/C)の添加によって,水素吸蔵合金負極の初期活性化が促進された。負極の複素インピ−ダンス解析ならびにカソード分極されたPd2+/CのXRD測定およびTEM観察より,カーボン粉末に吸着したパラジウムイオンが初充電時に電気化学的に還元される。生成したパラジウム微粒子が充放電反応の活性点として作用し,生成した水素の吸蔵による膨張によって合金粒子自身に割れが生じて新生面上に新たな活性点が形成されるため,負極の初期活性化が促進されると推定された。
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© 2000 The Chemical Society of Japan
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