2000 年 2000 巻 4 号 p. 267-271
単色化AlKα線によるX線光電子分光法により,塗膜表面におけるケイ酸エステルの加水分解率の定量解析を行った.ケイ酸エステルを含有する塗膜に非単色化MgKα線を照射すると,ケイ酸エステルのOR基だけが選択的に分解していくことを見いだした。この現象を使って,ケイ酸エステルのOR基に由来するC-O結合量を求めることにより,Si1原子に結合しているOR基の個数,すなわち加水分解率が定量できた。また本手法を各種塗膜の評価に適用した結果,求めた加水分解率は塗膜表面の親水性度を示す水接触角と良好な相関が得られた。
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