日本化学会誌(化学と工業化学)
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一般論文
アスファルトとポリ[スチレン-block-(エチレン-co-プロピレン)-block-スチレン]ブロック共重合体ブレンドの力学的性質と相構造
神谷 愼吾田坂 茂堀田 大輔
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2001 年 2001 巻 3 号 p. 163-168

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抄録

ポリ[スチレン-block-(エチレン-co-プロピレン)-block-スチレン]共重合体(SEPS)とアスファルト混合物の物理的および機械的性質を示差走査熱量測定(DSC),針入度,軟化点,引張強さから研究した.アスファルトはヘプタン不溶性成分のアスファルテン,可溶成分のモルテンに分けられる.SEPSとアスファルト成分の混合系のDSC測定結果よりアスファルテンがポリスチレンブロックと主に相互作用し,マルテンがSEPSのエチレン-プロピレンブロックと優先的に相互作用することがわかった.SEPS-アスファルト混合物は部分相溶系であると考えられる.一方,混合物の粘度,針入度,および引張強さは,低い添加量(例えば,5–10 wt%)で大きく向上した.これらの結果より,アスファルトへのSEPSの少量の添加がアスファルトの相溶化剤として働き,安定した網目構造を作るというモデルを提案した.

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© 2001 The Chemical Society of Japan
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