工業化学雑誌
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磁器釉藥に滑石の應用實驗
金島 茂太
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1917 年 20 巻 8 号 p. 850-860

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抄録

磁器紬藥の媒熔測としての塵墓は一般に加里曹達及び石荻にして苦士,重土は稀に用ひらる加里曹達及び石灰は通常長石及び石灰質料即ち樹皮灰又は石灰石に仰げり而して石灰質原料は本邦に於ては古來樹皮灰又は樹灰に索め樹皮若くは樹木を?き生じたる灰を水簸し其の粗粒又は絵儘を除くと同時に可溶性璽類を除去して用ふ樹灰は炭酸石灰及び珪酸の混合物にして成分均等なるものに非ず而キロ其の債格不廉なり且つ多少の差はあれど相當の鐵分を含有ず樹灰の使用は本邦に於て甚だ古く一般に慣用せらるるところなるが欧米には其の例なく然るに近來樹灰は石灰及び珪石を以て漸次代用の傾向あり往時の如く樹灰を需用せず支那景徳鎭、徳化にありては滑石灰中に植物の灰を加へたるものを更に焼きて使用す
然るに軟近満洲方面に於て多量の滑石、蛇紋石、軟玉等を採掘し内地市場に輪入せり其の債格高からず其の成分は珪酸苦土にして鐵の含有量僅少なり著者は東京高等工業學校窯業科實験室に於て校務の餘暇先づ之れを磁器紬藥料として慮用試験を行ひ左の成績を得たり其の實験の範園、精密度及び實験方法等必ずしも完からずと錐も是れに原依つて滑石紬(特に滑石を調合せし紬藥に余は新用語滑石紬を用ふ)の概念及び滑石紬に封する陶業家の注意を喚起さるれば著者の本懐とする處なり

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