工業化学雑誌
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電熱應用清酒火入に就て(第一報)
田所 哲太郎伊夫伎 房太郎金島 茂太
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1917 年 20 巻 8 号 p. 860-871

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抄録

現今清酒火入法として一般酒造家の採用するものは次の三法にして即ち直火法、湯煎法並びに蛇管法是れなり其の何れの方法によるも火當清酒を外氣に觸れしむること多く從て有害菌の浸入する機會も亦少しとせず且つ高温度にある清酒を少量づゝ運搬するが爲め酒氣を弱からしむること明なり更に缺減の多き事と將又燃料及び勞銀の浪費少なからざる等之れが改良を要すべきもの多々あるを信ず
而して以上の缺點中運搬の不便酒氣の弱まる事及び缺減の過多を防ぎ得る點より考ふるときは電熱應用の極めて有利なるを思はしむ若し又一方に於て酒味の調熟を助け殺菌の目的に適ひ從來は往々火落の結果二番火入を行ふが爲めに酒質を劣等ならしむるが如き顯著なる鉄點を救ふことを得たらんには實に本邦酒造界に於ける重大問題なりと云はざるべからず是れ著者等の本研究を企圖せし所以にして斯業に從事する入々の注意を喚起することを希望する所なり

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