工業化学雑誌
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アウリンとホルムアルデヒドの縮合反応ならびに不溶性縮合物の諸性質
中村 儀郎
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1957 年 60 巻 5 号 p. 649-653

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抄録

熱硬化時に変色したフェノールC型樹脂に存在する発色構造を明らかにするために,変色原因の一つと考えられるトリフェニルメタン系色素誘導体の中で最も簡単な構造を有するアウリンを用いて,そのホルムアルデヒドとの縮合反応,縮合物の構造ならびに諸性質について検討を行った。その結果,アウリンはホルムアルデヒドと酸またはアルカリ触媒の存在で付加縮合を行い, カセイアルカリ溶液あるいはエタノールに不溶性の縮合物を与え, その構造は強く変色したC 型樹脂のそれときわめて類似していることを明らかにし,さらに不溶性縮合物の還元体が溶存酸素の除去,金属イオンの還元に用いることができることを示した。

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