抄録
活性水素化合物に対するオキシラン化合物の逐次付加速度を定量的に求める目的で,2-エチルヘキサノールに対しナトリウムイソプロポキシド触媒を用い,プロピレンオキシド逐次付加の第1および第2段階の反応速度を測定した。その結果第1段階においてはアルコール対オキシドのモル比を5とすることにより,第2段階の介入を最小限におさえてその反応速度が得られ,一般式が成立し,45,60,75℃の測定からそのEa=14.4kcal/molが得られた。第2段階の反応はそれにつづく過程を無視し得ないが,やはり上式同様の速度式が得られ,各温度におげる速度定数kpからその見掛けの活性化エネルギーは16.Okcal/molとなった。また第1,第2両段階にて副次的におこる高次付加段階の生成物の量を算出した。