工業化学雑誌
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高級脂肪族アミンと酸化エチレンとの無触媒下反応における反応温度の影響
小森 三郎唐城 俊雄
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1959 年 62 巻 4 号 p. 538-542

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抄録
アルキルアミンと酸化エチレンとの無触媒下反応はつぎの3段階に分けて考えられる。
この反応において反応温度が170~230℃のときは反応Iの反応速度は大であるが反応IIの反応速度は小さく,ほとんど無視できることはすでに報告した。ところがこの反応を低温で行ったところ予想に反し,反応温度が150℃ 付近から低くなると,反応IIは無視できなくなり70~90℃あたりで最大の反応速度(2.5mol/hr)を持つようになった。70~90℃付近では反応I-Aが起ればすぐ続いて反応I-Bと反応IIが連続して起ってポリオキシエチレンアルキルアミンが生成し,律速段階は反応I-Aであることを確認した。多量の水の存在下に低温でアルキルアミンに酸化エチレンを作用させると第4級アンモニウム塩が生成するという特許があるが本研究で得たアルキルアミンは第3級であった。また反応温度を加減することによって比較的速やかに無色のポリオキシエチレンアルキルアミンを製造することができた。
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