工業化学雑誌
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温度によるアルギン酸ソーダの粘性の変化
笠原 文雄黒岩 義盛
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1959 年 62 巻 6 号 p. 851-854

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抄録

市販工業用アルギン酸ソーダについて,温度による粘性の変化を実験した。その結果
1.高粘性のものはAndrade 式への適合性が悪いこと
2.de Waele-Ostwald式へは低重合度のものの方が適合性がよいこと。速度勾配の小さい部分の方が適合性が悪いこと
3.流動曲線は温度の高い方が直線に近づくこと
4.温度履歴により相当に粘度差を生ずること
5.濃度を一定とした場合,および濃度を異にした場合の温度による粘度変化率は共に複雑で,その相互の間に一定の傾向を認めにくいこと
等の知見を得た。これらの原因について, 構造性, ラクトン結合酸基酸度, 微量Ca塩,Al塩の混在, 極低濃度域におけるイオン解離に基づく粘性挙動の変化等の点から考察した。

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