1959 年 62 巻 7 号 p. 1051-1054
プロピレンオキジドの重合については最近二,三の研究があるが,著者らはアルカリ金属のアルコキシドを触媒に用い常温常圧にてプロピレンオキシドを重合することができた。アルカリアルコキシド中ではi-PrOKが最もよいが,分子量2,500程度の油状ポリマーである。つぎにi-PrONaを触媒とし,触媒濃度,添加活性水素化合物(この場合2-エチルヘキサノール)濃度の重合速度に対する影響をしらべた。その結果プロピレンオキシドの重合速度はプロピレンオキシド,触媒の各濃度につき1次であること,活性水素化合物が存在すると,その濃度に依存する項と非接触項に速度定数が分離できることを知った。反応温度を変えて速度定数を求めた結果,プロピレンオキシドのi-PrONa接触重合は17.1kcal/molの活性化エネルギーでおこることがわかった。著者らの別の研究とあわせ考察すると,このプロピレンオキシドのプロピレンオキシドの陰イオン重合は逐次付加反応として理解され,その反応機構を推察した。
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