工業化学雑誌
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62 巻, 7 号
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  • 大杉 治郎, 井上 一男
    1959 年 62 巻 7 号 p. 899-905
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 長沢 不二男, 湯村 正一郎
    1959 年 62 巻 7 号 p. 905-913
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 藤崎 辰夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 913-917
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 岩崎 広次, 高橋 平一
    1959 年 62 巻 7 号 p. 918-921
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    メタンの粘度を, 固定板の間隔の狭い, いわゆる,Maxwell型粘度計を用いて,25°,50°,および75℃において, 500atmまで実測した。
    本測定より, (∂η/∂θ)p(η:粘度,θ:温度,p:圧力) は低圧においては正であり, 高圧においては負であることが知られた。なお,符号の逆転する圧は温度の増大とともに,より高圧側に移行することが知られた。
    また,(∂η/∂θ)p(p:密度)は常に正で,実験の誤差範囲内にて,密度の全範囲にわたり一定であり,温度のみの関数であることが知られた。さらに, 粘度を密度の関数としてあらわし, 実測値を用いて, 粘度対密度の等温線をあらわす実験式を各温度について求めた。
    粘度の予知のために, 一般に用いられる対応状態の原理よりの実在気体の偏異を, メタン, アルゴン, 窒素の実測粘度値を用いて検討し, これを付記した。
  • 平岡 弘之
    1959 年 62 巻 7 号 p. 921-926
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    液体内の拡散係数および活動度についての知識は液体の研究,液体内の化学反応速度の研究者らにとって重要である。ベンゼンの自己拡散係数,ベンゼン内のイオウおよびヨウ素の拡散係数を温度15より51℃,圧力latmより900kg/cm2まで測定した。ベンゼンの自己拡散に対する恒圧活性化エネルギーは2,780cal/molであるが,恒容活性化エネルギーは780cal/molで高密度の気体の値と同程度である。圧縮アセチレンガスの水, メタノール, ベンゼンおよびテトラヒドロフランへの溶解度を0℃より40℃,圧力40kg/cm2まで, 圧縮エチレンガスのベンゼンへの溶解度を25℃より150℃,圧力200kg/cm2まで測定した。さらに圧縮アセチレンガスの液体内での部分分子容を10℃より40℃,圧力30kg/cm2まで測定し,これらの溶液の特性につき考察を行った。
  • 斎藤 肇, 権太 泰彦
    1959 年 62 巻 7 号 p. 926-928
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    リーベカイト系石綿組成に相当する原料混合物(Na2O・3MgO・Fe2O3・8SiO2)を電気炉中で1300℃で完全に融解後,急冷してえられたガラスを80~100メッシュ間に粉砕した。これをオートクレーブでアルカリ溶液中で170~420℃,200~400atm間の種々の温度および圧力下に処理した。処理後,急冷したときの結晶析出状態を検鏡,析出結晶をX線回折および屈折率の測定などから検討し,またガラスの溶解量を定量してつぎの結果をえた。全般的に見て,水酸リーベカイト結晶の析出は310℃以上の温度において良好であり, また常に異種鉱物が若干析出するようであった。これから合成石綿母岩を水熱処理したとき,結晶中のフッ素イオンの一部が溶液中の水酸イオンで置換する以外に,溶液中より水酸石綿が別の相として析出する可能性があることがわかった。またガラスの溶解量の測定から, すでに著者によって提出した一般実験式がこの場合にも臨界温度以上において十分適用することができることを明らかにした。
  • 北原 重登
    1959 年 62 巻 7 号 p. 928-930
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    Na2O-SiO2-H2O系の蒸気圧を地球化学的見地から,温度200~360℃の範囲で,Na2O-H2O系の蒸気圧と比較測定した。実験には,銀板で内張りした内容約20cm3の鋼製オートクレーブを使用した。Na2O-SiO2-H2O系の蒸気圧はNa2O-H2O系の蒸気圧にくらべて高い値を示し,ケイソウ(珪曹)比が増大するにつれて,その値は高くなり,ケイソウ比2においては,純水の蒸気圧に近い値が測定された。蒸気圧に及ぼす濃度の影響はケイソウ比が増大するにつれて小さくなり,ケイソウ比2においては,濃度の影響はほとんど認められない。ケイソウ比が増大するにつれて,ケイ酸塩の会合および凝縮が進行することが推測される。
  • 竹崎 嘉真, 岡本 暢也, 杉田 信之, 湯浅 幸雄, 谷本 文男, 河谷 恒夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 930-935
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    さきに行った表題の原応に関する基礎研究に基づき,CH3OH・BF3+H2O・BF3(1:1.5モル比)なる原料を用いて流動法による実験を行い気液接触の方法と反応率との関係を調べた。その結果噴霧法,溢流皿流下法,ガス吹込法いずれも基礎実験結果を再現し, 反応の律速段階は液中反応自身にあり, 気液接触は大して重要な問題ではないことが明らかとなった。なお本合成の実施に関し上記各法の得失についても論及した。
    次にBF3の少ない場合について基礎実験を行い, 特にCH3OH:BF3:H2O=1:1/4:1の場合について検討した結果,温度を320℃にすれば前同様の収率および速度で反応が進行することがわかった。この場合メタノールの大部分はエーテルとして気相にあり, 反応は液体として存在する水-BF3系内の少量のメタノールにより進行する。またメタノールと生成酢酸が同時に分解するため全反応は複雑であり,連続操作にするには特別の考慮が必要である。
  • 浅原 照三, 高木 行雄
    1959 年 62 巻 7 号 p. 935-939
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    C2H4-CCl4系飽和溶液の容積変化を20℃および30℃,60atmまでのエチレン圧力下において測定した。容量比を0.412とし100~200atmの圧力下では,C2H4-CCl4系飽和溶液の容積変化の影響は顕著でC2H4/CCl4モル比の僅かの相違によって圧力上昇が急激に起る。一方40~50atmの圧力下ではC2H4/CCl4モル比の増加とともに反応圧力も増加する。テトラクロルアルカン組成は容量比0.412,100~200atmの圧力下では大体一定であるが, 四塩化炭素の変化率および開始剤の効率は40~50atmの圧力下の場合よりも良好であった。なお反応開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリルを用いた。
  • 久米 泰三, 阿部 哲, 谷岡 勝彦
    1959 年 62 巻 7 号 p. 939-941
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    本研究は, 炭酸ガスと水素の高圧反応により, 炭水化物等直接合成の条件を究めんとするものである。しかし, これに関連するアルコール合成についても,その反応機構はまだ明らかではないので,メタノール合成について,銅-亜鉛,銅-クロム系触媒等によって,これを追試して見た。実験は断続法によって行った。その結果,初期反応は炭酸ガスの吸着解離を律速段階とする1 次反応であることが明らかとなった。後続反応には, 特に, 炭酸ガスの分圧, すなわち, 反応ガスの混合比の影響が大で,nH2/nCO2≅5を境として,その増減に応じて次第に反応の様相が異なるようである。メタノールの生成量とモル比の関係が明らかとなり,モル比約4付近で最高である。
  • 神谷 佳男
    1959 年 62 巻 7 号 p. 942-945
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石炭を酸素酸化して生成したべンゼンカルボン酸類を主成分とする芳香族酸を加熱して一部脱炭酸を行い,フタル酸類を主成分とする芳香族酸に転化させた後,これを再び酸素酸化して,フタル酸類に富む生成物を得ることを目的として,種々の反応条件について実験を行い,反応生成物中のo-フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,トリメシン酸,安息香酸を分離定量した。酸化処理によって芳香族酸の性質は著しく変化して水不溶性のものが減少し,水可溶性のものが増加するが, フタル酸類の一部は酸化分解し, o-フタル酸は少量が新たに生成する。炭酸ソーダ水溶液中の反応では, 酸化生成物中に占めるフタル酸類の割合は,酸化前にくらべてあまり変化しない。炭酸カリ水溶液中の反応では,フタル酸類が比較的安定に保たれるために,生成物中のフタル酸類の含量はかなり高くなる。生成酸のメチルエステルをクロマトグラフ法により分離した成分からは数種類の純粋結晶が分離された。
  • 福井 謙一, 世良 力, 富久 登
    1959 年 62 巻 7 号 p. 945-950
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    加圧下において一酸化炭素とジメチルアミンのエチレングリコール溶液とよりジメチルホルムアミドを合成する反応の速度を,反応温度80~170℃,一酸化炭素充填圧50~350kg/cm2,ジメチルアミン濃度(モル分率)0.05~0.85の条件下で測定した結果を解析して
    (1)行った実験条件下では一酸化炭素の液相への溶解の段階は反応の律速段階とはなり得ないこと
    (2)一酸化炭素充填モル数をジメチルアミン充填モル数よりも過剰,不足あるいは等しくしたすべての場合に,濃度をモル分率で表わすと一酸化炭素分圧降下速度は
    -dpico/dt=kpico(DMA)(EG)20/α-(EG)0
    なる表式によって表わされること
    (3)見掛けの活性化エネルギーは13.5kcal/molであることを明らかにし,また実験的に求めた速度式を導くことがでぎる反応機構についても考察を行った。
  • 児玉 信次郎
    1959 年 62 巻 7 号 p. 950-954
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    重合開始剤として,過酸化ジ-t-ブチル(DTBP)および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(ADIB),溶媒として水を用い, 反応圧力300~1700kg/cm2,反応温度110~170℃(DTBP),80~125℃(ADIB)にて, 高圧下でエチレンの重合反応を回分式で行い実験的反応速度式を提示した。すなわち,それぞれ
    DTBP:R=1.26×1017exp(-42.1/RT)I0exp(kdθ)P1.9,
    kd=3×1016exp(-39/RT);
    ADIB:Ri=1.45×10-2I0P0(初期潜伏期)
    R=3.7×10-4I0exp(-1.26×10-2θ)P1.8(主反応期)
    これより,素反応式を仮定し実験事実に対する考察を行い,ラジカルの失活および停止は,それぞれ1次でなり,また,エチレンの重合速度が1 次分解によって生成するラジカル濃度に比例することを認めた。
  • 日根 文男, 杉森 敏郎, 吉沢 四郎, 岡田 辰三
    1959 年 62 巻 7 号 p. 955-961
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    塩水精製時の水酸化マグネシウムをX線回折法によって調べ,次のような結果を得た。
    1.水酸化マグネシウムは六方晶型に属し,いわゆるArnfelt構造をなす。2.格子間隔は反応条件に左右されず,a=3.14Å,c=4.775Åの値をとる。3.結晶粒の大きさをX 線回折線の半価幅から算出した。4.カセイ法沈殿は円板状で, 石灰法沈殿は円〓状である。5.前者は数日後に結晶化するが, 後者は反応後直ちに結晶化をはじめる。6.洗浄,乾燥,高温,かきまぜは結晶化に有利である。
  • 日根 文男, 吉沢 四郎, 岡田 辰三, 横田 範之, 門多 透, 久代 二郎
    1959 年 62 巻 7 号 p. 961-965
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    電解用食塩水の精製において, 従来の回分法を連続法に改めるために, 今までに得た回分法によるデータを基礎として,小型透明のシックナーをつくり,これによって流れの状態等を調べた後,中間試験装置をつくって現場の塩水につき試験した。
  • 田川 博章, 藤森 寛治
    1959 年 62 巻 7 号 p. 965-970
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石灰石の組織は方解石結晶粒子の大きさの違いによって結晶質(200~500μ),粗粒質(40~60μ),微粒質(5~20μ),緻密質(2μ以下) の四つに分類することができる。焼成されてできる生石灰粒子の大きさは石灰石の組織と密接な関係にあり,石灰石の組織が微細なほど,生成する生石灰粒子の大きさは細かい。1000℃では産地の違い,組織の違いに無関係に生石灰粒子の大きさは1μ内外の値を示すが,1300℃,3 時間の焼成によってできる生石灰粒子の大きさは結晶質からは 0μ,粗粒質14μ,微粒質4μ程度になる。粒子の成長は1100℃を越える付近から著しくなる。また900~1100℃の焼成生石灰は顕微鏡下で黄褐色ないしは黒褐色を呈し,透光性の小さくなる現象がみられる。
  • 由川 博章
    1959 年 62 巻 7 号 p. 970-973
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石灰石の大きさが熱分解の速度ならびに分解の機構に与える影響について研究した。
    1稜の長さ2,4,6cmの青海産石灰石を立方体に切出したものを試料として,分解温度850~1300℃の範囲で,熱分解による減少量を熱天秤を使って調べ,これから分解速度を求めた。
    分解率α,分解速度v,立方体の1稜の長さ2Rとの間には,いずれの分解温度,石灰石の大きさについてでもvt=〓の関係が成り立つ。したがって分解速度は反応界面の面積に比例することが認められる。また,その速度は石灰石の大きさが大きいほど小さくなるが, いずれの大きさの場合でもArrheniusの式を満足する。しかしながら,logv-1/Tの関係は950℃付近に折点を有する直線である。これらの直線から求めた高温域と低温域の見掛けの活性化エネルギーはそれぞれ20,40kcal/molになる。このことから分解の機構は950℃付近で変わるが, 石の大きさに依存しないことがわかった。
  • 青谷 薫, 小泉 敏子
    1959 年 62 巻 7 号 p. 973-975
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石英反応管中で加熱したケイ素粉末上に,窒素,水素,二酸化炭素等の担体ガスと共にヨウ素蒸気を導入し,これによる四ヨウ化ケイ素の生成条件を検討した。
    反応管は電気炉によって加熱し,600~900℃の範囲で反応させて四ヨウ化ケイ素を生成させ,いずれも750~800℃で最大収量が得られたが, 二酸化炭素の場合には時間と共に収量を減じて良結果は得られなかった。また800℃より高温では収量は減少し, 900℃ 以上では分解が始まる。また750℃より低温ではヨウ素を多量に含む赤色物質が得ら。れ生た成。生成した四ヨウ化ケイ素は桃白色粉末で融点は115~120℃であった。結局本装置による四ヨウ化ケイ素生成の最適条件は反応温度750℃とし, 水素を担体として50~100cc/minの流量でヨウ素蒸気をケイ素上に導入して反応させる時に得られた。
  • 斎藤 肇, 小笠原 虔一
    1959 年 62 巻 7 号 p. 976-978
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    角セン石系フッ素石綿の同形置換によるTremolite,Richterite,Arfvedsonite,Edenite,およびRiebeckiteの5系列について同一条件下に合成を行った。合成母岩からえられた結晶はX線回折によってそれぞれの系列の結晶が合成されたことを確認し,母岩の結晶化の程度を比較検討した結果,Arfvedsonite,Riebeckite,Richteriteの順に結晶化は良好で,ついでTremolite,Edeniteは同程度で他にくらべて結晶化は相当不良であった。つぎにArfvedsonite系列では酸化性雰囲気でないと混合組成中のFeIIIの還元がおこり結晶化に影響するので,さらに好結果をうるために炭化ケイ素を発熱体とする電気炉内を酸化性雰囲気にするとき,FeIIIをAlで置換したとき, および原料混合物に酸化剤として硝酸ソーダを加えたときについて検討した結果,硝酸ソーダを15%加えたときもっとも好結果がえられることがわかった。
  • 二宮 清, 佐々木 熊三
    1959 年 62 巻 7 号 p. 979-982
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    鉄のリン酸などの電解液による電解研磨機講を解明する一方法として,リン酸およびこれに硫酸,クロム酸,塩酸などを添加した電解液中で鉄および酸化鉄極を分極し,その電位の変動を測定した。電位-時間曲線から酸化鉄の生成反応あるいは酸化鉄の還元溶出反応など電極の挙動を検討した。これらの結果から電解研磨における電極の不働化と活性化の周期現象は不働化した電極表面の酸化皮膜層が崩壊溶出して低級酸化物層が露呈し,直ちに再び酸化して不働化する交番作用によるものと思考した。
  • 友田 宜忠
    1959 年 62 巻 7 号 p. 982-984
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    感光性をもった銀塩は多数あるが本実験ではタングステン酸銀を,ぜラチン水溶液中に分散させてつくった乳剤の感光性をしらべた。乳剤に使用するゼラチンの品種,乳剤混合条件,現像条件などが乳剤の写真的特性に及ぼす影響をしらべタングステン酸銀乳剤の基礎的特性を明らかにした。また乳剤のγ線に対する感度についても試験した。
  • 大柴 孝
    1959 年 62 巻 7 号 p. 985-992
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    4価,3価および2価の塩化チタンは液体アンモニアに溶解する物質,たとえば食塩,硝酸ナトリウム,臭化ナトリウム,臭化カリウム,ヨウ化カリウム,塩化アンモン,臭化アンモンまたは硝酸アンモン等の無機塩または尿素のような有機物と付加化合物をつくって,液体アンモニアに溶解することを知った。これら共存物質のうちNaCl4NH4ClおよびNaBr等の種々の濃度における塩化チタンの常温の溶解度を,特殊な耐圧ガラス製の溶解度測定装置を考案して測定した。その結果,共存物質の液体アンモニア中の溶解量の増加に伴ない,塩化チタンの溶解度も増加するが,また共存物質の濃度が十分高い点より逆に低下することがわかった。得られた塩化チタンの溶解度は,TiCl4が65.2g NaBr/100gNH3liq.の臭化ソーダ溶液で最高7.8gTiCl4/100g NH3liq.,TiCl3が85.4g NaBr/100g NH3liq.溶液で4.4gTiCl4/100g NH3liq.およびTiCl2が48.2g NaBr/100g NH3liq.溶液で3.6g TiCl2/100g NH3liq.で,原子価の低下にしたがい低い傾向を示した。またTiCl4のアンモニアとの反応熱は約164kcal/TiCl4molであった。
  • 大柴 孝
    1959 年 62 巻 7 号 p. 993-998
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    二塩化チタンの液体アンモニア(液安)溶液は四塩化チタンを低濃度のナトリウムアマルガムで還元してつくることができる。二塩化チタンの液安溶液は赤褐色で,常温またはそれ以下では,比較的に安定である。しかしながらこの溶液は(1)時日の経過に伴なって見られる変化,(2)四塩化チタンを還元して二塩化チタンの液安溶液とするときの還元剤であるナトリウムアマルガムのナトリウムの消費量,(3)二塩化チタンの液安溶液に接しているナトリウムアマルガムの性状,および(4)二塩化チタンの液安溶液から分離される黒色粉末のN含有量等より二塩化チタンは液安溶液において,次式のごときdisproportionationを起すことを推定した。
    また適当な物質の存在が本反応を促進することがわかったので,それにより,実際に金属チタンを分離することができた。またこの反応は塩化チタンの水和熱およびアンモニア化熱からも理論的に十分可能であるとの結論を得た。
  • 大柴 孝
    1959 年 62 巻 7 号 p. 998-1003
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    液体アンモニアに溶解した四塩化チタンおよび二塩化チタンを常温で電解し, 金属チタンの析出を目的とする基礎的な研究を行った。その結果金属チタンが陰極に析出することを確認した。チタン塩化物が液安中で黒鉛陽極および金属チタン陰極を使用した場合の分解電圧は2.1~2.2Vで同様条件下のNaBrの2.9~3.4Vより低く,NH4Cl酸性溶液の分解電圧の1.0~2.3Vより高いか等しいほどであった。
    一般的に液体アンモニア中の塩化チタンの電解においてはチタン塩の酸化状態の低いものから出発するほど電流効率が良好であった。また良好な電解を行うためには,陰極電流密度が1A/dm2内外かまたはそれ以上が必要であり,そのためには塩化チタンの濃度高く, 液温は20℃以上, 更に隔膜が必要であった。陰極材料に亜鉛, アルミニウムは腐食され使用に耐えなかった。
    析出物は一般に空中ではただちに酸化し易いものであり,その安定化のために,P.R.法およびベルトーロ交直流併用電解を試みたが,むしろ有機物の添加の方が有効であった。
  • 村井 孝一, 赤染 義一, 西山 静夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1004-1006
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    エポキシ油脂系可塑剤の一つの9,10-エポキシステアリン酸ブチルの熱分解について検討を行い,160℃以上では分解が早く,分解速度は1次反応に一致し,見掛けの活性化エネルギーは22.8kcal/molであった。分解は主として,エポキシ基のケト基への転位と重合と考えられ,また二重結合の生成も見られた。
    可塑化PVC中の熱分解速度は単独の場合と大差はなく, また分解速度と樹脂の着色の直接の関係は得られなかった。
  • 藤井 修冶
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1006-1008
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石炭の懸濁粒子の吸光係数を測定する理論ならびに方法を案出し,これを実験的に検討した。本法によれば,直接懸濁粒子の大きさを測定することなく,単に懸濁液の真の吸光度を,二つの波長において測定することにより,石炭粒子の真の吸光係数を精密に測定し得る。すなわち,理論的に,種々の粒度の懸濁液について,λ1なる波長における吸光度{log(I0/I)}λ1と,λ2なる波長における吸光度{log(I0/I)}λ2とは直線関係にあり,懸濁粒子の半径に無関係なこの直線式の係数より,λ1における真の吸光係数ελ1を求め得ることが明らかとなった。上記方法を2 種の石炭について適用した実験結果によれば,明瞭な直線関係が得られ,この直線の式より真の吸光係数を求めることができた。λ2として種々の波長を選んで,本法によって求めた真の吸光係数の値が相互にかなり一致することにより本法の妥当なことを証明し得た。
  • 河合 和三郎, 堤 繁
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1009-1011
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    先にアルキルベンゼンのヒドロキシル化が,酸素加圧下,ナフテン酸コバルトを用いて行われたが,今回は主にクメンを用いて,アセトフェノンへの選択酸化を試みた。その結果,ケトン,カルビノールへは,かなり満足すべき酸化が行われ,そのうちアセトフェノンの収量は最高84%が得られた。更に反応条件,酸化機構について詳しく検索した。
  • 荻原 篤, 永井 芳男
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1011-1014
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    o-オキシアゾ化合物が酸化剤によってジアゾニウム化合物とキノンに分解し,アゾ基は定量的に窒素ガスとなることが知られているので,多量の希薄なクロム酸混液によるガス生成速度を検圧計によって求めて,構造の異なることによって起る被酸化性の差異を知り,酸化と密接な関係があると思われる光退色性の考察の基礎資料としたいと考えた。
    (1)一般のo-オキシモノアゾ化合物においてガス生成はアゾ化合物の1次分解であり,その生成量はアゾ基の窒素量と一致する。速度および活性化エネルギーは相当するジアゾニウム塩の熱分解のそれと等しく,この分解が律速段階となる。
    (2)ニトロ基,スルホン酸基をもつジアゾ成分からつくられたアゾ化合物においては反応初期に急激なガス生成が見られ,以後はほぼ1次反応として進行するが,相当するジアゾニウム塩の分解速度よりかなり大きい。したがって併発的な酸化分解が考えられる。
    以上のことから被酸化性についての考察は得られなかったが,酸化分解機構,ニトロ基,スルホン酸基による特異性,およびアゾ基の定量についての新知見が得られた。
  • 吉田 善一, 平井 秀夫, 小田 良平
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1014-1020
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    有機反応(重合も含める)において,金属イオンとか有機金属化合物は反応速度,配向性,生成物の立体特性などに影響をおよぼし, その結果特定の反応を起り易くさせる点から最近とくに注目されてきた。ところで, フェノール類へのカップリングは本来フェノール類の水酸基のp-位に起り易い反応であるが,金属イオンの存在により,o-位へのカップリングが起り易くなれば,カップリングにおける配向性の変化の点から興味がある。しかも,生成物のo-オキシアゾ化合物は金属錯塩染料の中間体として最近重要となってきているので, o-カップリング反応は工業的にも重要な反応と考えられる。このような目的から,(1)石炭酸へのべンゼンジアゾニウムクロリドのカップリングにおけるCu(II)の影響,(2)p-クロルフェノールへのベンゼンジアゾニウムクロリドのカップリングにおける各種金属イオンの影響,(3)石炭酸へのo- オキシベンゼンジアゾニウムクロリドのカップリングにおけるCu(II)の影響について研究した。その結果,(1)の場合を除いてo-カップリング速度が大となり,とくに(3)の場合にはo-カップリング体の収量がCu(II)の存在しない場合の25倍も大となった。
  • 吉田 善一, 風間 清司, 小田 良平
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1021-1024
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    o, o'-ジオキシアゾ染料は堅牢度の大きな金属錯塩染料合成上の配位子成分として重要である。そこで著者らは従来のカップリング法に代わっていっそう容易に目的を達しうるo-オキシアゾベンゼン誘導体の直接水酸化を試みた。すなわち(1)o-オキシアゾ化合物はCu2+と安定な錯塩をつくること,(2)銅イオンのような遷移金属イオンは過酸化水素を分解してOHを生じさせることから,o-オキシアゾ化合物とCu2+より1:1錯塩をつくらせ,これに過酸化水素を作用させると錯塩中の銅のあいた配位座の上で過酸化水素が分解され,生じた水酸ラジカルはCu(II)の安定度定数の大きなために,他の位置よりもo'-位を優勢的に攻撃すると考えたのである。反応にあたってスルホン基を1個有するものは生じた銅錯塩が水に不溶となるので,当量のシアンイオンを配位させて可溶性としてから,またスルホン基2個以上のものでは銅錯塩は水溶性であるから,そのまま過酸化水素を作用させ,目的の反応を行うことができた。
  • 安倍 義人, 永井 芳男
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1025-1027
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ピレン-1-スルホン酸(I) はピレン(II) の低温スルホン化でつくられるが, われわれはIIをa) 硫酸(III) と硫酸ナトリウム(IV) の等モル混合物, またはb ) 硫酸水素ナトリウム(V) と150℃以上に加熱, そののち熱湯抽出という簡単な操作でIを好収率で得た。IIに対してIIIおよびIV各3モル比,180℃,6時間または150℃,11時間でIのナトリウム塩(ほとんど純粋)の収率100%,各2モル比のときは180℃,6時間で収率93%。硫酸がIVに対し等モルまたはそれ以下のときは反応条件を強めてもIのみが生成するが,等モルより多いときは,わずか過剰でもジスルホン酸の副生が認められる。bの場合は対応するa の場合よりも収率がやや低い。たとえばI に対してVを5.6モル比(IIとIII各2.8モル比に相当),180℃,6時間でIの塩の収率80%。冷却下にクロルスルホン酸を用い溶媒中で長時間かきまぜる文献の方法にくらべて,収率,反応時間,操作の点ですぐれていると考えうる。
  • 宇佐美 昭次, 佐川 昭夫, 武富 昇
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1027-1030
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    本邦各地の土壌から耐酸性黒カビを分離し,ショ糖-硝安系培地で振とう培養法により生酸能試験を行い,1328株中から対糖収率50%以上の菌株18株を得た。このうち実際研究に使用した7株を選んで形態的,生理的性質を詳細に検討し,各株ともAspergillus niger Van Tieghemに属するものであることを明らかにした。どの菌株も表面培養法では生酸能がきわめて弱い。またWU-163号菌について各種の炭水化物の生酸性を検討したところ,ショ糖が最もよくクエン酸を生成し, ついで麦芽糖, フルクトースの順であった。
  • 松崎 啓, 守屋 正夫, 秋月 和雄, 祖父江 寛
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1030-1034
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ブナパルプ中のマンノース基を含む成分がグルコマンナンであることをたしかめ,その組成を明らかにしようと試みた。またブナパルプ中のキシランを主成分とするヘミセルロースの種々の性状を明らかにしようとした。
    ブナパルプ中の銅アンモニア液不溶部分は,針葉樹パルプの場合と異なり,マンノース基をほとんど含まず,セルロースやキシランである。ブナパルプのアルカリ抽出液をフェーリング液で分別沈殿し,グルコマンナン約75%を含むフラクションを得た。これをさらに穏かな加水分解にかけて,グルコマンナン含量90%のフラクションを得たが,針葉樹グルコマンナンのような尖鋭な結晶性X 線図を示さなかった。そのマンノース基/ グルコース基は2 . 4 であった。他のキシランを主成分とするフラクションの結晶性X線図および組成を,木粉より抽出したキシランよりつくった皮膜のX線図および組成と比較した。またクロマトグラフ法によって測定したウロン酸基量を,炭酸ガス量から測定した無水ウロン酸量と比較した。
  • 竹原 茂夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1034-1036
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    針葉樹の亜硫酸法人絹パルプおよびそのα 繊維素の重合度分布より推察して,17.5%アルカリ処理ではβ,γ繊維素のごとき低重合部分だけが溶出するのではない。200以下の低重合度部分は原パルプと大差なく,2000以上の高重合度部分が特に低下し, 分子の均一性を向上する。その傾向は人絹パルプのα繊維素を軽く酸加水分解するといっそう顕著になる。しかしリンターパルプではアルカリ処理でも, 酸処理でも高重合度部分が僅か低下する以外に分布に大きな差がない。
    原パルプのα-繊維素およびその緩和な酸加水分解でいずれも重合度500前後が著しく増加する。
  • 竹原 茂夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1037-1039
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    国産およびリンターパルプのアルカリ繊維素は工業的な45℃,1.5時間の老成において1000以上の高重合度部分を減少し,それ以下の部分を増加する。特に200以下の低重合度部分は急増するが,未だかなり1000以上の部分が残留する。重合度分布の不均一度は国産パルプで老成10時間ぐらいまでは低下するが,リンターパルプでは逆に上昇する。したがって比較的高温の老成によるやや不均一な解重合でも,分子の均一性の点より国産パルプに対しては効果的であり,リンターパルプには悪い。
    国産パルプでも老成を重合度的にほとんど平衡状態まで進めると不均一度は一時上昇し,後再び低下する。これは老成による解重合が無定形領域における初期老成と無定形領域から結晶領域に移る中期老成と全く結晶領域のみの後期老成の3段階よりなることを示す。硝化法による重合度分布の不均一度の変化,岡村および岩崎らによる老成の解重合速度式,酸加水分解法によるいわゆる結晶領域(真の結晶領域すなわちミセルと異なる)の重合度分布の比較から,国産パルプのミセルの長さが重合度として110~120,すなわち約600Åであると推定される。
    Staudingerのエステル基数は老成の極く初期は僅か増大するが,平均重合度250前後で低下し,結晶領域の解重合を主とする後期老成では負となる。したがって,かかるエステル基数は大体分子の不均一度に依存し,特に低重合度部分の多い場合には本来の化学的な意味がない。
  • 竹原 茂夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1040-1042
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    パルプを平衡重合度まで酸加水分解した残留物を1 % アルカリで分別溶解した, いわゆる結晶領域の重合度分布は重合度約300以下のかなり広い範囲に分布している。特にミセルが崩壊したと考えられる極端な低重合度部分が非常に多くなる。その不均一度は人絹パルプにおいては大差なく,リンターパルプでは逆に大となる。したがって,原パルプより長さの均一な分子束になるとはいえない。
    かかる結晶領域を濃度の異なるアルカリで分別溶解してもおもに低重合度部分が選択的に溶出して高重合度部分が累積する。したがって,本法でパルプのラテラルオーダー分布が測定されるとは考えられない。
    ペーパークロマトグラフ法によるマンノース, キシロース残基の測定と硝化法による重合度分布の測定結果よりSchulzらのいう弱結合点の存在に確実性がある。
    エステル基数は約40以下のきわめて低重合度の部分が増大するにしたがって, 徐々に負の値が大きくなり, この部分が除去されると再び正の値に近づくので,いわゆる結晶領域のエステル基数は不均一度に依存性はあるが,本来の化学的意味はない。
  • 竹原 茂夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1042-1043
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    パルプのいわゆる結晶領域中のミセル寸法は電子顕微鏡観測によると重合度として人絹パルプで約150,リンターパルプで約180,幅75A程度である。しかし重合度分布の測定によると人絹パルプで約100,リンターパルプで約150と推定される。ミセルの電子顕微鏡観測の結果と分布中の山の重合度との間にはかなり明瞭な関係がある。
  • 竹原 茂夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1044-1046
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    人絹および超強力人絹のいわゆる結晶領域の硝化法による重合度分布は原繊維の分布に類似し,これが微細構造とある程度懸がある。結晶領域中粒子長の比較的均一なミセルの大きさはきわめて微小で,電子顕微鏡観測によっては寸法の測定が困難である。しかし硝化法による重合度分布の山の重合度よりスキンは人絹で重合度8前後,コアは約14,超強力人絹のスキンは8~16と考えられる。
    従来,単に平均重合度の差から人絹のミセルは大きく,超強力人絹のそれは小さいとされている。なるほど人絹は原料パルプの関係で分布的に不均一で,かつ組織的に不均質でありスキン層も薄い。しかしスキンのミセル寸法はむしろ超強力人絹の場合より小さく均一である。
    いわゆる結晶領域をアルカリの濃度差で分別溶解すると, パルプの場合ほど顕著でないが, 特に低重合度部分が多く溶出して高重合度部分を累積する。したがって厳密にはラテラルオーダー分布は測定できない。かかる低重合物ではKm定数を5×10-4,11×10-4の一定とするかぎり銅安法重合度は硝化法重合度の約2倍となる
  • 竹原 茂夫
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1046-1048
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    1回法および2回法分別沈殿による重合度分布の比較より,Scottの理論が大体妥当で,低重合度部分の山でも近接する重合度部分の混合物である。しかし,その不均一度がほとんど0,すなわち重量および数平均重合度が大体等しいから,その山の実在の可能性は大きい。
    硝化法のKm定数を11×10-4とするかぎり重合度分布より算出した数平均重合度は末端基法重合度より極く僅か小さいが大体等しい値を与える。したがって,硝化法重合度は40以下の極端な低重合度に対しても正しい値を示す。銅安法重合度は末端基がカルボニル基かカルボキシル基かにかかわらず,銅イオンが架橋結合して過大な値を与えると推察される。銅安法重合度は人絹や超強力人絹等のいわゆる結晶領域や高度に解重合した試料には適当でない。
  • 河合 和三郎, 堤 繁
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1048-1050
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    標題のモノマーを新しく合成した。前者はビニル基を有する開始剤として,その触媒的挙動と,それより得られたポリマーの応用の目的で,また後者はビニル基を有する連鎖移動剤としての応用の目的で合成したものである。
  • 石井 義郎, 関口 自然
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1051-1054
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    プロピレンオキジドの重合については最近二,三の研究があるが,著者らはアルカリ金属のアルコキシドを触媒に用い常温常圧にてプロピレンオキシドを重合することができた。アルカリアルコキシド中ではi-PrOKが最もよいが,分子量2,500程度の油状ポリマーである。つぎにi-PrONaを触媒とし,触媒濃度,添加活性水素化合物(この場合2-エチルヘキサノール)濃度の重合速度に対する影響をしらべた。その結果プロピレンオキシドの重合速度はプロピレンオキシド,触媒の各濃度につき1次であること,活性水素化合物が存在すると,その濃度に依存する項と非接触項に速度定数が分離できることを知った。反応温度を変えて速度定数を求めた結果,プロピレンオキシドのi-PrONa接触重合は17.1kcal/molの活性化エネルギーでおこることがわかった。著者らの別の研究とあわせ考察すると,このプロピレンオキシドのプロピレンオキシドの陰イオン重合は逐次付加反応として理解され,その反応機構を推察した。
  • 三橋 重信
    1959 年 62 巻 7 号 p. 1054
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 62 巻 7 号 p. A59-A67
    発行日: 1959/07/02
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    These abstracts are prepared for the benefit of our readers abroad to assist them, to form a general idea of the contents of the present issue, written in Japanese by the respective authors. Readers are recommended to refer to the tables, the figures, the formulae etc. in the original papers.
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