工業化学雑誌
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生石灰の結晶成長に及ぼす石灰石の性状の影響
田川 博章藤森 寛治
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1959 年 62 巻 7 号 p. 965-970

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抄録

石灰石の組織は方解石結晶粒子の大きさの違いによって結晶質(200~500μ),粗粒質(40~60μ),微粒質(5~20μ),緻密質(2μ以下) の四つに分類することができる。焼成されてできる生石灰粒子の大きさは石灰石の組織と密接な関係にあり,石灰石の組織が微細なほど,生成する生石灰粒子の大きさは細かい。1000℃では産地の違い,組織の違いに無関係に生石灰粒子の大きさは1μ内外の値を示すが,1300℃,3 時間の焼成によってできる生石灰粒子の大きさは結晶質からは 0μ,粗粒質14μ,微粒質4μ程度になる。粒子の成長は1100℃を越える付近から著しくなる。また900~1100℃の焼成生石灰は顕微鏡下で黄褐色ないしは黒褐色を呈し,透光性の小さくなる現象がみられる。

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