抄録
加圧状態の空気または酸素雰囲気のなかにおいて,燃料希薄の混合条件で白色発煙硝酸(WFNA)を酸化剤とするフルフリルアルコール(FA),およびトリエチルアミン(TEA)の着火遅れについて研究した。加圧により着火遅れは減少し,前者は高温過程の遅れ(τ2)が極端に短かくて,圧力によるその変化は明瞭ではないが,低温過程の遅れ(τ1)が短かくなるのが目立ち, 後者でもτ 1 にはその影響が大きくτ2に対しては小さい。全着火遅れτtmsと空気雰囲気の圧力Pkg/cm2abs.との間にはフルフリルアルコールについて0.18~6.Okg/cm2abs.においてτtP0.6=一定;トリエチルアミンについて0.41~6.Okg/cm2abs.においてτtP1.0=一定が実験式として得られ,低圧側で先に得た圧力指数と大きな違いは生じなかった。酸素雰囲気はトリエチルアミンのτ2を縮めるのに著効があることを確かめた。