工業化学雑誌
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カーボンねつ合物の流動性に及ぼすバインダー量および温度の影響
岡田 純
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1960 年 63 巻 12 号 p. 2071-2076

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抄録

カーボンねつ(捏)合物の流動性を,押出試験機を製作して,それによってしらべた。押出圧力Pと押出速度vの関係をしらべた結果, Pが, 押出停止圧力Pf以上になったとき流動をおこし, ( P- Pf)m=K1v なる関係があり, ねつ合物が塑弾性体であることがわかった。次に,バインダー量,温度をかえて,一定速度で押出し,(P-Pf)およびPfが,いかに変化するかをしらべた。バインダー量が増加すると,Pfおよび(P-Pf)は減少する。バインダー量の増加にしたがって, ねつ合物は粉体から塑性体を経て粘性体に移行する。また, 温度が高くなると( P- Pf) は減少し, かつPfも減少するが,Pfはある程度以下には減少しない。その限界は,バインダー量にも関係する。別に,平行板プラストメーターを用いて,流動下限界Sfの値も,バインダー量および温度をかえて測定し,Pfとあわせて論じた。Pfは粉同志の噛合いの緊密さ, およびバインダーの表面張力による粉の凝集によって生じ, また( P- Pf) はバインダーの粘性に関連があるとして, バインダー量および温度によるこれらの値の変化を説明した。

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