1960 年 63 巻 12 号 p. 2107-2111
A・Vト石の焼成条件はト粒α-アルミナに固溶しているTi3+を酸化させるものと推測されるが,ト石製造業者あるいは使用者は,これについてあまり注意を払っていないようである。よって著者の推測の正否を確かめるため本研究を行なった。
市販2Aト粒を電気炉中で加熱し, 固溶Ti3+ 酸化の進行につれてα-アルミナ格子が収縮し, 色も暗い灰色, 青味灰,黄味灰と変ることを確かめ,この現象に基づいて5社のA・Vト石計14試料のト粒α-アルミナの固溶Ti3+の酸化状態を調べ,著者の推測の正しいことを示した。また固溶Ti3+の酸化の著しいもめには金紅石の存在することを予測し, 更に固溶Ti3+の酸化程度はト粒の色, またはト石の色によりかなり細かく判定される可能性のあることを示した。
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