工業化学雑誌
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トリクロルシランの水素還元
安田 貞夫山田 静夫中村 静喜
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1960 年 63 巻 12 号 p. 2111-2115

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抄録

トリクロルシランの水素還元による純ケイ素の製造を石英管中で行なった。ケイ素の収率は原料中のトリクロルシランに対する水素の混合比(モル比)の増加とともに増し,1100℃,モル比200では収率約85%に達する。反応温度が高い程収率は増す。流速の増加は収率を減少させるが, 本実験の範囲(60cm/sec~140cm/sec) ではその影響は小さい。また一部の実験で排ガスの組成を調べ, 低モル比(10以下) ではケイ素は主にトリクロルシランの熱分解によって生成するが,高モル比になると熱分解は抑制され,ケイ素の生成は主に水素還元によって行なわれることを認めた。
トリクロルシランの水素還元と熱分解,およびテトラクロルシランの水素還元の反応の熱力学的平衡を文献のデータから計算し,これと実験結果とを比較検討した。

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