1960 年 63 巻 12 号 p. 2118-2124
さび止め油の性能は数種類以上の試験法を併用して評価するのが普通であって,実際に多くの方法が実用され,また試験法に関する研究も多い。一方さび止め機構についても多くの研究が行なわれているが,なお不明な点が多い。著者らはさび止め油を塗布した軟鋼試験片の食塩水中における電極電位の測定によって,さび止め添加剤の耐塩水性の優劣を有効に評価し得ることを期待し,かつは電極電位の値とその時間的変化とから各添加剤の特性を調べる目的をもって本試験を行なった。その測定結果を水滴静置発錆試験および塩水浸漬試験の結果と比較検討し,ことに後者とは二,三の場合を除いてよい相関性のあることを認めた。またさび止め添加剤としては, マレイン化オレイン酸めステアリルアミン塩およびソルビタンモノオレエートを主添加剤とし,これに数種の副添加剤をそれぞれ配合したもののタービン油溶液を供試し,これらの間の相乗効果をもあわせて検討した。また電極電位が時間の経過とともに貴の方向に変化するものについてその原因を考察した。
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