工業化学雑誌
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アルギン酸の加熱による粘度低下
佐藤 久次森田 睦夫竹野 昇市田 幸子
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1960 年 63 巻 12 号 p. 2183-2186

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抄録

乾燥および湿潤状態の遊離アルギン酸の加熱による粘度低下を,種々の温度および時間について測定し,著者らがアルギン酸ソーダの加熱による粘度低下についての研究で, すでに得ている結果と比較して次の結論を得た。
(2)粘度低下の傾向に関して,ソーダ塩と遊離酸との間に特に次の2点について興味ある平行性が見出された。すなわち,第一にいずれの場合も十分な水分の存在下における加熱は乾燥状態における加熱にくらべて,いっそう著しい粘度低下を起した。次にこの傾向は比較的低温付近(60℃,70℃) において特に顕著であった。
(2)粉末および溶液状態のアルギン酸ソーダ,乾燥および湿潤状態の遊離アルギン酸の四つの場合において,粘度低下の程度は湿潤状態の遊離アルギン酸が最も大きく, ついで乾燥状態の遊離アルギン酸と溶液状態のアルギン酸ソーダが,ほぼ同程度の低下を示してこれに続き,粉末状態のアルギン酸ソーダが加熱に対し最も大きな抵抗性を示した。

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