1960 年 63 巻 8 号 p. 1364-1367
炭化水素の構造と燃焼性の関連,ノッキングの現象等を究明する目的で,Norrishの始めた閃光法を用いて遊離基の吸収スペクトルを測定し,少量の二酸化窒素を加えたアセチレン,酸素混合試料の反応生成物中に既知のOH,CN,C2,CH,NHを検出した。つぎにピエゾ型圧力変換器を取付けて,その際の爆発圧も測定し,光増感剤をヘリウム,アルゴン等で希釈した試料の圧力波形が反応管の形状と試料の組成によって変化すること,および光増感剤を含むアセチレン,酸素混合試料では,全圧,閃光エネルギー,二酸化窒素の量を減少すれば,誘導期間が延び,多くの場合爆発圧も減少し,爆発に限界値があることを定性的に確かめた。さらにこのような動圧力の測定は非常に簡単で誘導期間が明確にわかるので,遊離基の吸収スペクトルを測定する場合の爆発の再現性の点検にも役立つことを知った。
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