工業化学雑誌
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重油-水エマルジョンの生成および破壊
佐賀井 武
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1960 年 63 巻 8 号 p. 1368-1371

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抄録

重油-水エマルジョンは重油燃焼に際してその障害の一つになる。重油-水エマルジョンをつくると,その強さは徐々に増し強度飽和点に達する。一般に重油-水界面生成直後の界面張力の低いものほど強いエマルジョンを形成する。かつ,重油-水界面にできた界面膜は一般には弱い剛性をもっている。
特殊な重油は水との界面張力が高いにもかかわらず強いエマルジョンをつくり,この界面膜は強い剛性をもつらしく,連続相である重油のもつゲル構造に関係するものと考えられる。
重油-水エマルジョンを破壊する界面活性剤は一般にH.L.B(Hydrophile Lipophile Balance)が10前後のものが最もよく効果があり,重油に可溶であってO/W型の乳化剤であることが必要である。Schulman-Bowcottめ界面中間層説は重油-水エマルジョンの生成と分離を説明するに都合がよい。

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