工業化学雑誌
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ポリビニルチオフェノールの合成
大河 原信大西 義雄井本 英二
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1961 年 64 巻 1 号 p. 226-228

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抄録
ポリスチレン(PS)を原料として次の三法によりポリビニルチオフェノールの合成を行なった。1)PSをクロルスルホン化して,スズ-塩酸で還元する。2)PSをニトロ化,還元,ジアゾ化し,ジアゾニウム塩をザンテートとして加水分解する。3)PSを2,4-ジニトロフェニルスルフェニルクロリドでスルフィドとし,アルコール分解する。えられた高分子チオールによるAg+ , Hg2+の交換吸着量(E) を測定した。1 ) の方法でえたものの, 見かけのE は, 2 ) , 3 ) の場合よりかなり大きい(Ag+5.70,Hg2+6.28meq/g)が,これは共存するSO3H基の作用が加算されたためであろう。共存基の影きよう,精製の困難さなどのためにSH%とEの間には一定の関係がないが,行程の少ない3)の場合にはいちおう比例関係が認められる。
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