工業化学雑誌
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酸化カルシウムと酸化タングステンとの固体間反応によるタングステン酸カルシウム螢光体の合成
高木 克己青木 英雄
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1961 年 64 巻 2 号 p. 267-272

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抄録

CaOとWO3との固体間反応は840℃以上で行われてCaWO4を生成する。反応はWO3がCaO粒子の表面に生成したCaWO4層を拡散することにより進行し,また反応速度はこの拡散の速度により律せられる。拡散に要する活性化エネルギーは,生成物の化学分析の結果より求める時は25kcal/molであり,また螢光強度は生成物の量に比例するとして,その測定結果より求める時は33kcal/molとなる。反応直後のCaWO4は無定形であるが,その後続行する加熱処理により結晶化される。従って,化学分析により測定されるCaWO4は無定形と結晶性との両者であるが,一方螢光強度より測定されるCaWO4は結晶性のみである。このことが,測定法による活性化エネルギーの相違を与えるものと考えられる。

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