工業化学雑誌
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金属塩化物によるプロピレンオキシドの重合
岡崎 薫
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1961 年 64 巻 2 号 p. 342-345

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抄録

新しい触媒の開拓のために,種々の金属塩化物によるプロピレンオキシドの重合を行ない,つぎの結果を得た。(i)塩化鉄触媒で,重合温度を40℃,60℃,80℃,100℃ とし,エーテル中18時間重合での,触媒量,収率,還元粘度,重合温度の間の関係を調べたところ,重合温度は約80℃ が,触媒量はモノマーに対し約1mol%が最大の収率,還元粘度を与えることがわかった。またこの際,触媒濃度がある値のとき収率,還元粘度に極大値を生ずるが,これにっいての説明を試みた。(ii)塩化鉄を触媒とし,エチルエーテル中での重合では,重合速度は溶液の誘電率に依存していることを見出し,その際の速度定数の値を決定した。(iii)種々の金属塩化物,すなわちチタニウム,ジルコニウム,スズ,クロム,モリブデン,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅の各塩化物を触媒として80℃ で重合を行ない,得られたポリマーの収率,粘度の値を比較した結果,周期律表上チタニウムから銅にいたる金属原子の塩化物では,鉄の塩化物触媒が最大の収率,粘度を与えることがわかった。

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