工業化学雑誌
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無機化合物,有機金属化合物系触媒によるプロピレンオキシドの重合(1)
岡崎 薫
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1961 年 64 巻 2 号 p. 346-349

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抄録

プロピレソオキシド重合用新触媒をみつけるため,無機化合物,有機金属化合物系触媒による重合を行ない,非常に有用な触媒系を見出した。(i)塩化鉄,トリエチルホウ素系触媒または塩化鉄,ジエチル亜鉛系触媒では,塩化鉄単独の場合より,それほどよい結果を与えなかった。(ii)炭酸ストロンチウムによるプロピレンオキシドの重合は,大きな収率,還元粘度を与えなかったが(iii)種々の金属フッ化物,すなわちナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,バリウム,アルミニウムをそれぞれ金属原子とするフッ化物,ジエチル亜鉛系触媒で80℃で重合を行ない非常によい結果を得た。すなわち,ジエチル亜鉛またはフッ化物を単独で使用した場合はほとんど重合しないが,これらを適量使用した触媒系では,得られるポリマーの重合収率,極限粘度は非常に大きく,固体ポリマーを与えることがわかった。(iv)(iii)で得たポリプロピレンオキシドのベンゼン溶液の粘度測定から,HugginsのパラメーターK'を0.64と決定した。かくして金属フッ化物,ジエチル亜鉛系触媒で得たポリマーは,X線回折図,偏光顕微鏡写真から結晶性であることがわかった。

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