ポリエチレンテレフタレートをγ 線または電子線で照射し, 溶液粘度, 溶解性, 電子スピン共鳴吸収スペクトル, 結晶化度を測定した。照射線量は106~9×108rであった。
照射の初期では空気中照射,真空中照射のいずれにおいても溶液粘度は低下するが,真空中で高線量照射すると溶剤に対して不溶部分を生じる。Charlesbyの理論式を適用した計算結果では,分解および架橋のG値は,それぞれ0.16および0.08であった。溶液粘度の低下に対して,線量率の差異は影響を示さず,結晶化度の変化は認められなかった。酸素の存在は溶液粘度の低下には影響を与えないが,照射によって生じた遊離基と反応するので,空気中照射では不溶部分を生じないという結果を与えた。
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