ブタジエンを- 20 ℃ から- 196 ℃ の温度範囲で, γ 線によって塊状重合を行わせた。- 109 ℃ を境にして, 液相から固相に変わるが,両相において重合が進み,液相領域で重合の見掛けの活性化エネルギーは-0.4kcalと負の値を示し,固相域では0.1kcalと極めて小さい正の値を示した。重合したポリマーの赤外線吸収スペクトル測定の結果から,1-4結合はほとんどtrans結合であることを認めた。一方,ベンゼン中の溶液粘度を測定したところ,固相重合の方が,液相重合のポリマーに比較して大きい値を示した。両相における重合は,イオン機構よって進むものと考えられる。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。