工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
合成用ガスから硫化物を除去する研究
河野 和夫尾頃 肇稲葉 哲雄
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 64 巻 3 号 p. 532-535

詳細
抄録

合成用ガスの脱硫に関する基礎的な研究の一部として,高温乾式法によるR2S(R・メチル基)の除去を検討した。
H2およびCOにR2Sを混合した試料ガスをFe,Ni,Co,Cu,Mn,Cd,Cr,Al,Mg,V,Moの酸化物をケイソウ土に保たせた脱硫剤上に通じ,温度250,400℃,ガス空間速度1200で脱硫を行なった。
脱硫剤がイオウで飽和されるまでの経過を追跡した結果では,イオウ固定剤としてNi,Coのみが良好であった。またイオウで飽和された脱硫剤によるR2S→H2S転化はNi,Co,Cr,Mo,Cdが良好であり,この転化はRSHを経由して進行し,R2S→RSHが律速段階であると推定された。ガス中に共存するCOはR2S→H2S転化速度を減ずるが,イオウ固定中のNi脱硫剤によって著しく分解される。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top