工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
オキシステアリン酸の境界潤滑性
中島 磯吉外山 修之
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 64 巻 9 号 p. 1577-1580

詳細
抄録

3種のオキシステアリン酸メチルの流動パラフィン溶液の耐荷重性を曽田式四球形摩擦試験機で測定し,ステアリン酸メチルおよびオレイン酸メチルと比較した。一般にオキシステアリン酸メチルはステアリン酸メチルにくらべて耐圧性がよく,これは金属面で吸着層をつくっている分子中にある水酸基が分子間水素結合をつくり,物理的強度の大きい構造をつくるためと考えた。さらにそれら遊離脂肪酸の低濃度流動パラフィン溶液の低荷重領域での摩耗こん(痕)を測定し,直径増大率を吸着層の物理的耐圧強度判定の指数に使った。DL-10-オキシステアリン酸およびDL-12-オキシステアリン酸は予想された耐圧性向上効果がみとめられたが,D-12-オキシステアリン酸はステアリン酸とほとんど差がない。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top