1962 年 65 巻 3 号 p. 436-440
ゾルポリブタジエンおよびゲルポリブタジエンを原料とするポリブタジエン- スチレングラフト重合物についてロール混練による性質変化を測定した。機械的性質中もっとも大きな変化を示す衝撃強度は,ロール混練によりゾルポリブタジエン原料の場合は極大値を示すが,ゲルポリブタジエン原料の場合は極大値を示さない。グラフト重合物中のポリブタジエン成分は,ロール混練によりゲル化されるが,ゾルポリブタジエンのゲル化は大きく,ゲルポリブタジエンのゲル化は小さい。またグラフト重合物中のポリブタジエン分散粒子は,ロール混練によりゾル・ゲルいずれの場合も小さくならず,逆に大きくなることを認めた。これらの結果よりロール混練により生じる機械的性質の変化は,グラフト重合物中のポリブタジエン成分の性質変化, すなわちゲル化によるものであることを推論した。
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