工業化学雑誌
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第三アミンによるエポキシ樹脂の硬化反応
加倉井 敏夫野日 達彌
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1962 年 65 巻 5 号 p. 827-831

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抄録

第三アミンによるエポキシ樹脂の硬化反応を検討するため, トリエチルアミンによるエポン8 2 8 の開環重合を行なった。ゲル化点までの反応を粘度の測定により,ゲル化点以後の反応をジオキサン不溶化率の変化から検討した。溶媒中および無溶媒の場合の粘度変化,エポキシ基反応率から,反応はエポキシ基の二つの形式の反応によることがわかった。比較的遅い初期反応と続く速やかな反応の各々について,反応温度,アミン量の関係,反応の活性化熱を求めた。エポン828の開環重合のゲル化点における反応率は理論的計算により0.5となり,実測値もほぼこの程度になる。ゲル化後の不溶性樹脂の生成量の変化を検討した結果,不溶化反応は可溶性樹脂分子間の反応だけでなく,可溶性樹脂分子と不溶性樹脂との反応も関与していることがわかった。

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