工業化学雑誌
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カチオン重合触媒によるフラン誘導体の重合
石垣 昭庄野 利之八浜 義和
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1963 年 66 巻 1 号 p. 119-124

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抄録

フラン誘導体のFriedel-Crafts型触媒による重合を試み,モノマーとしてフラン,2-メチルフラン,2,5-ジメチルフランを用いた。2-メチルフランからは比較的好収率でポリマーが得られ状と構造が異なることを見出した。その構造は重合温度-30℃~-40℃を境として2種類あり,中間の段階では両者の共重合物を形成することを赤外吸収スペクトルの測定により確認した。また,その構造は重合温度のみによってきまり,重合溶媒または触媒によって変化しない。これらのポリマーは精製するも比較的低分子量であった。2-メチルフランのポリマーの構造をオゾン分解法により検討した。その結果,重合はフラン環の開環によらず,フラン核中に含まれる二重結合により重合し,その分子構造中にビニルエーテル型およびビニリデンエーテル型結合を含むことを確認した。

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