1963 年 66 巻 4 号 p. 517-519
硫酸を触媒として酢酸中でアセナフテンとホルムアルデヒドとの反応を行ない,ホルムアルデヒドの消費速度からホルムアルデヒドのアセナフテンへの付加反応の速度を求めた。
その結果,付加反応の速度はアセナフテンとホルムアルデヒドの各濃度の1次に比例し,2次反応速度定数k2と反応溶液の酸度函数H0との間にはlogk2=-H0+1.22[H2SO4]+constが得られた。アセナフテンとホルムアルデヒドとの付加反応の機構は,はじめにホルムアルデヒドが水素イオンと反応してメチロールカチオンになる平衡反応があり,つぎにそのメチロールカチオンがアセナフテンに付加し,この反応が律速段階になることが示され,この反応機構から理論的に上式が導き出された。
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