工業化学雑誌
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8-アミノキノリンをジアゾ成分とする銅錯塩アゾ染料の合成
飯田 弘忠池上 昭
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1964 年 67 巻 1 号 p. 118-120

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抄録

8-アミノキノリンをジアゾ成分として,8-(2-ヒドロキシナフチル)アゾキノリン(A),8-(2-アミノナフチル)アゾキノリン(B),5-アミノ-6-メトキシ-8,8'-アゾキノリン(C)を合成し,これらを銅錯塩にして染料としての性質を検討した。結果はつぎのようであった。
1)(B)と(C)は文献未知の化合物で,(B)はmp223~225℃の赤色結晶,(C)はmp276~277℃の赤紫色結晶であった。
2)これらのアゾ色素にアルコール中で塩化銅(II)を反応させて銅錯塩を合成した。(A)からはC19H12N3O・Cu・Cl・H2O,(C)からはC19H15N5O・Cu・Cl2・H2Oなる組成を持った錯塩を結晶状に得られた。しかし(B)に塩化銅(II)または酢酸銅(II)を反応させると(B)は分解し,錯塩を作らなかった。
3)このようにして得られた錯塩染料は,色素原子団が陽イオンになっており,ポリアクリロニトリル繊維を堅ロウな美しい色に染めた。

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