工業化学雑誌
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メチルアセトキシシランとイソプロポキシアルミニウムとの反応
大谷 杉郎中井戸 靖明小島 昭新井 近
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1964 年 67 巻 1 号 p. 239-243

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抄録

AlOSi結合を骨格とする高分子をつくる目的で,シクロヘキサン中で各種のメチルアセトキシシランとイソプロポキシアルミニウム(TPA)との反応について検討し,次の結果を得た。
(1)Me3SiOAcとTPAとの反応では,シランとTPAとのモル比が2以上では,脱エステル反応と共に交換反応も生ずる。
(2)Me3SiOAl(OPr)2とMe2Si(OAc)2との反応では,きわめて粘稠な液体が得られる。この物質は,

なる分子の会合によって生ずるものと推定した。
(3)Me2Si(OAc)2とTPAの反応では,膨潤性の白色粉末と結晶性の沈殿が得られ,MeSi(OAc)3とTPAとでは,結晶性沈殿と少量の液状シロキサンが得られた。
以上の結果から,シランのアセトキシ基の数が多くなるほど交換反応が生じやすくなり,(Me3SiO)3Alが生成する場合以外は,アセトキシ基の配位による配位高分子型の生成物が生ずることを明らかにした。

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