工業化学雑誌
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ベンゾテトラゾロシンノリニウム塩類の合成
飯田 弘忠萬田 栄一郎宮川 千亜紀
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1965 年 68 巻 2 号 p. 318-321

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抄録

2位に置換基を有するベンゾテトラゾロシンノリニウム塩類を合成し,これらのポリアクリロニトリル繊維用ケイ光増白染料としての性質を検討した。結果は次のとおりである。
1)テトラゾリウム塩を紫外線照射することにより2-フェニル,2-シアノ,2-エトキシカルボニル,2-ヒドロベンゾテトラゾロシン,リニウムクロリドを合成した。
2)5-カルボキシテトラゾリウムクロリドは,紫外線照射により脱炭酸して2-ヒドロペンゾテトラゾロシンノリニウムクロリドになった。
3)2-カルポキシベンゾテトラゾロシンノリニウムクロリドは,2-エトキシカルボニル体のエステル基を加水分解して合成した。
4)3-エトキシカルボニルポルマザンを四酢酸鉛で酸化すると,テトラゾリウムペタインが得られた。また3-アセチルホルマザンを過マンガン酸カリで酸化すると,酸化と同時にアセチル基が加水分解された。
5)以上合成したペンゾテトラゾロシンノリニウム塩類は,いずれもポリアクリロニトリル繊維に染着するが,耐光堅ウ性はいずれも良好ではなかった。

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