工業化学雑誌
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キナクリドンの新合成法
永井 芳男西 久夫長谷川 日吉
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1965 年 68 巻 2 号 p. 321-325

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抄録

キナクリドン・キノン(I)ないしロイコ・キナクリドン・キノン(III)の6,13位のカルボニル基ないし水酸基をそれぞれ選択的に還元してキナクリドン(II)を合成した。還元剤として塩化アルミニウムー亜鉛末系を選び,融解法と溶剤法の二方法について行なった。両方法ともIIの新合成法である。融解法では所定混合比の塩化アルミニウム-食塩混融物にIを溶かし,亜鉛末を加えて還元し,その還元生成物をニトロベンゼン-m-スルホン酸ナトリウムと処理して短時間に良好な精製品収率(77%)でIIを得た。同様の条件下でIIIを還元した場合の収率は向上し,82%となった。また溶剤法ではさらに収率が向上した。すなわち,o-ジクロルベンゼン中塩化アルミニウム-亜鉛でIを還元し,その還元生成物をニトロベンゼン-m-スルホン酸ナトリウムと処理して精製品収率86%でIIを,また同様にして IIIからは収率90%でIIを得た。

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