1965 年 68 巻 2 号 p. 369-373
ビニルモノマー中の置換基の立体効果が,その重合にどのような影響をおよぼすかを研究する目的でるexo型およびendo型2-立体配置の異なビニルビシクロ[2,2,1]-ヘプタン(VBH)の合成を試みた。しかしexo型およびendo型VBHの生成が期待された経路で得られたものは,いずれも沸点,屈折率,比重,ガスクロトグラフィー,IR吸収スペクトルからほとんど差が認められなかった。またNMRスペクトルにも差はみとめられず持,それはexo型特有の吸収をつことからendo-VBHの合成の途中で安定なexo型に転移した推定された。ついで,合成したexo-VBHの単独ラジカル重合,単独イオン重合,塩化ビニルおよび無水マレイン酸とのラジカル共重合を行なった。単独ラジカル重合はおこさなかったが,BF3-OEt2によるカチナン重合では,グリス状のポリマーが得られた位。また,AIEt2Cl-TiC3による配アニオン重合では低収率で白色ポリマーが得られた。ラジカル共重合では,無水マレイン酸と交互共重合を行ない,塩化ビニルとの共重合結果からVBHモノマーのQ,e値を計算し,Q=0.025,e=-0.47を得た。
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