1965 年 68 巻 2 号 p. 409-413
繊維とゴムの界面接着剤として利用されているビニルピリジンラテックスに尿素ならびにそれら関連化合物を適当量配合することにより,ラテックスの凍結・融解に対する安定性,機械的安定性,および目的とする接着性能の著しい向上が見出された。
凍結・融解に対する性能は本添加物の配合量に比例するが,ラテックスに使用される界面活性剤が脂肪酸カリウムである場合,その効果は特に著しい。また,ラテックスを凍結・融解処理に付した場合,ラテックス粒子が一部相互に融合を起こす現象を粒子径分布図より実証した。この粒子径増大により当然予測されるラテックスの粘度低下と機械的安定性能の向上も同様確認されている。
接着性能に対する本添加物の配合量の増加は静的接着値を向上させるが一方,動的接着力に対しては接着界面における塑性破壊を起こしやすくするので適当な添加量を決定する必要がある。
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