工業化学雑誌
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アルキリデンシクロブタンの自動酸化の動力学的考察
三木 彦一斎藤 真澄萱野 恵一伏崎 弥三郎
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1965 年 68 巻 5 号 p. 948-953

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抄録

アルキリデンシクロブタとして, メチレンシクロブタン, イソプロピリデンシクロブタンをえらび, 種々の条件で自動酸化の反応速度を測定し, それより自動酸化の機構を動力学的に調べ, すでに行なった不飽和脂環炭化水素の自動酸化について得られた結果と比較し, 分子構造の反応性におよぼす影響を考察した。メチレンシクロブタンはペンタエリスリットより合成し, またイソプロピリデンシクロブタンはイソアミルアルコールをメチロール化し1,1,1-トリス(オキシメチル)-2-メチルプロパンを経て合成したものを使用した。装置ならびに反応条件はいままでに行なった場合に準じた。酸化はメチレンシクロブタンの場合65~75℃,酸素分圧を100~750mmHg, 試料濃度を0.46~1.34mol/l,イソプロピリデンシクロブタンの場合は, 反応温度35~75℃, 酸素分圧50~750mmHg, 試料濃度0.46~2.29mol/l, またいずれの試料においてもBPO濃度を試料1molあたり0~Q.04mol, 紫外線強度を22~100%の間で変えて行なった。得られた試料においてもB P O 濃度を試料1molあたり0~0.04mol,紫外線強度を22~100%の間で変えて行なった。得られたれていることが明らかになった。そしてその生成量は酸化の初期では酸素の吸収量に比例することが認められた。酸化の速度式は, Bolland, Batemanらの提出したオレフィンのそれと一致する。このものの反応中心における水素引抜きのエネルギーはメチレンシクロブタンは15kcal/mol,イソプロピリデンシクロブタンは12kca/molであり, 反応速度はテルピノーレン,1-メチルシクロペンテンの場合より低いことがわかった。

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