工業化学雑誌
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ビニルホスホン酸ビス-β-クロルエチルの重合および共重合
紺屋 栄横山 正明
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1965 年 68 巻 6 号 p. 1080-1085

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抄録

ビニルホスホン酸ビス-β-クロルエチルCH2=CHP(O)-(OCH2CH2Cl)2 を合成し, その重合性を検討した。ラジカル単独重合で,B.P.O.とA.I.B.N.を開始剤として用いると,変化率は前者が大きいが,固有粘度は両者とも0.04程度で差がなく, 高重合度のポリマーはえられない。スチレン(M1)とのラジカル共重合実験により, γ1=2.43,γ2=0.03なる単量体反応性比をえた。アクリロニトリル, メタクリル酸メチル, スチレンに対するビニルホスホン酸ビス-β-クロルエチルのラジカル共重合性は小さい。また,これらの共重合体の示差熱曲線を求め,熱特性を調べた。カチオン重合触媒として,塩化スズ(IV),塩化チタン(IV)を用い,アニオン重合触媒として,ナフタリンナトリウム,グリニャール試薬を用いて,イオン重合性を調べた。カチオン重合触媒では,ほとんど重合性を示さないが,アニオン重合触媒であるグリニャール試薬により固有粘度0.14程度の比較的高重合度のポリマーをえた。

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