1966 年 69 巻 1 号 p. 154-158
プラスチックのシート,ビンなどの成形品について静電気によるホコリ付着,ならびにホコリ付着の防止における内部用帯電防止剤の効果について検討した。ポリエチレンと相溶性があり, 表面にブリード( Bleed out ) しないイミダゾリン型両性界面活性剤Ca塩では,表面固有抵抗が1011Ω 程度に低下した場合には,ホコリ付着は著しく防止される。しかしポリエチレンと相溶性のない高級アルキルアミン酸化エチレン付加体では,表面固有抵抗は1011Ω,またはそれ以下でも,表面のブリードがひどいため,空試験と同程度にホコリを付着して,ホコリ付着防止の効果は認められなかった。ホコリ付着は室内放置試験,実際の店頭陳列試験および人工的なホコリ(カーボン)を使用するダート.チェンバー・テストで評価されたが,相溶性のよい内部用帯電防止剤を使用する限り,ホコリ付着は表面固有抵抗,摩擦帯電圧などの帯電防止性と相関関係があり,内部用帯電防止剤がホコリ付着の防止に効果があることが確認された。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。