工業化学雑誌
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異径・異型触媒粒子混合系の総括反応速度- 総括有効係数の近似評価-
笠岡 成光阪田 祐作
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1966 年 69 巻 11 号 p. 2029-2034

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抄録

一連の触媒粒子の固有活性(速度定数:k)や粒子内有効拡散係数(De)が同じであっても,これらの複数個を用い,単位量(質量あるいは容積) を基準に求めた反応速度は粒径分布や形状の相違によって, かなりの差異が生じる場合がある。そこで, これらの関連性を定量的に評価するために,粒径(2R0)や形状(Vp/S0;Vp:粒子見かけ容積,S0:粒子見かけ外部表面積)のみ異なる触媒粒子混合系[i) 異径球, ii) 異高円柱, iii) 異径・異高球- 円柱, iv) 異高, 異孔リング, など] の場合に対して, 外部物質移動抵抗の存在しない条件下での全混合粒子総括有効係数の数値的検討を行なった。すなわち,等温1次反応系総括有効係数(η0)は次式のように,η0=Σfi・η(φi);〓,fi=Vpi/ΣVpi各粒子の有効係数[η(φi)] と容積分率(fi) の積の和として, 表示されるが, 混合粒子数が10 個以内では, Vp/S0 にほとんど無関係に, また, 多くの粒子混合系では, Vpi/S0の最大値が最小値のほぼ1.5 倍以内にあれば, 混合粒子の代表特性長さとして,ΣVp/ΣS0を,すなわち,φiの単一粒子形状相関モジュラス〓の代りに,〓を採用し, η(φm) を算出することによって, η(φi) やfiが未知であっても, 総括反応速度( =η0kC ) に影響を与えるη0 をかなり精度よく近似評価[η0≒η(φm)] できることを明らかにした。

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