工業化学雑誌
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合成雲母の熱膨張係数
住吉 義博野田 稲吉
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1966 年 69 巻 11 号 p. 2095-2098

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抄録

合成フッ素金雲母の単結晶およびブック状結晶の熱膨張係数を押棒式熱膨張計で測定した。また水熱合成したフッ素水酸金雲母の熱膨張係数をX 線法によって室温~600℃ 間で測定した。
熱膨張計法ではフッ素金雲母単結晶のa,b 軸方向の熱膨張係数はそれぞれ9.89, 9.31×10-6 でほぼ等しく, ブック状結晶では劈開面にそった方向は8.29~10.3,垂直な方向は14.1~36.3×10-6であった。ブック状結晶は欠陥の少ないものほど熱膨張係数は小さい。X線法ではフッ素金雲母のa,b,c軸方向の熱膨張係数はそれぞれ7.2,11.8,15.3×10-6であった。
フッ素水酸金雲母の熱膨張係数はa,b軸方向ではフッ素金雲母と同程度であったが,水酸基イオンの含有量が多くなるとc軸長は大きくなるがc軸方向の熱膨張係数は小さくなった。

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