塩基性炭酸マグネシウム(炭マグと略称)の生成機構をX線分析により明らかにしようとした。つぎの3種の反応で炭マグを生成させた。(1)水酸化マグネシウム懸濁液の炭酸ガス吸収。(2)炭酸水素マグネシウム溶液の加熱分解。(3)炭酸マグネシウム懸濁液の加熱分解。これら反応過程に未知回折線を与える副生物がある。(1)と(2)の反応で炭マグと副生物の関係は(3)の反応での関係と大体同様である。また,(3)の関係における副生物の挙動は,固相状態でも起こる。したがって(1),(2)と(3)の反応でも固相反応は起こりうる可能性がある。副生物は60~100℃ の加熱により不安定となり,その構造のある原子網面は炭マグの(002)面の配列に対応するように再配列する。
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