工業化学雑誌
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HClガス法木材糖化- 気流法による糖化試験-
草間 潤石井 忠雄蓑田 孝彦
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1966 年 69 巻 7 号 p. 1320-1323

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抄録

第1~第5報でHClガス法木材糖化の一連の某礎研究を,第6報では流動層を適用した場合の工業化試験結果などを報告したが,本報では流動層のもつ欠点を改良する目的で行なった気流法による中規模試験および工業化試験の大要についてのべた。中規模試験では内径13mm,長さ5,10,15mのガラス製気流管により気流吸着,気流糖化試験を行ない,工業化試験(1t原木/day)では内径28mmの気流管(長さ,反応管:15m,吸着および脱酸管:30,45m)を用いた。
最も大きな問題は,流動層の場合と同様に,粒子の粘着性を防止して安定な連続気流操作を確立することであったが,ケイソウ土のような粘着性抑制剤を15~20%(対前処理乾材)添加することで完全に解決できた。HClガス流速15~40m/secで,気流吸着,気流反応,気流脱塩酸は良い結果を得た。糖化工程の所要時間は,熟成期間を考慮して,塩酸浸透:30~60分,HClガス吸着:1分以内,反応:10分,塩酸回収:2秒で合計40~70分程度であった。最適条件下では理論糖化率の95%程度の糖化率を得た。

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