1966 年 69 巻 9 号 p. 1854-1858
炭化水素の部分酸化反応用のニッケル触媒のイオウ被毒について研究した。本研究の目的は高温において使用されるニッケル触媒のイオウ被毒の機構を明らかにし,さらに耐イオウ性触媒の開発にある。
ヘキサン-スチーム反応におけるCS2によるニッケル触媒のイオウ被毒を研究した。反応条件は次のとおりである。反応温度=650~850℃,液空間速度(対ヘキサン)≅1,供給原料油中のイオウ濃度=0.025~0.168wt%および8.42wt%,水/原料油=1.3~1.5(ml/ml)。
α-Al2O3,ペリクレーズ,およびシリカゲルより調製したシリカの各担体付触媒を用いた。α-Al2O3およびペリクレーズの各担体付触媒は,シリカ担体付触媒にくらベイオウに対してより敏感であった。シリカ担体付触媒の活性は850℃で含イオウ原料油(S=0.084%)を用いても低下しなかった。この触媒は750℃以下ではわずかに被毒されるが,空気ブローで再生し得る。X線回折により被毒触媒中でNi3S2が形成されているのが検知された。
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