工業化学雑誌
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ゼオライト触媒によるo-キシレンの異性化および不均化反応
松本 泰重森田 義郎
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1967 年 70 巻 10 号 p. 1674-1678

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抄録
Ca,Cd,Mn,LaおよびCeイオンを含むX型合成ゼオライト触媒によるo-キシレンの異性化および不均化反応について常圧下,300~550℃ の温度範囲で検討した。これらゼオライト触媒は異性化および不均化双方に対し高い活性を有しているが,通常のシリカ・アルミナ触媒は選択的に異性化を促進する。反応温度および接触時間が増加するとともに,異性化/不均化,およびm-キシレン/ p-キシレンの生成物比はともに減少した。
塩化水素添加によりゼオライト触媒およびアルミナ触媒の活性はともに高まった。また,この塩化水素の影響は後者に対しては不可逆的であったが,前者に対しては可逆的であり,その効果は反応温度の上昇とともに増した。さらに,ゼオライト触媒上の塩化水素吸着量が0~0.1(mmol/g)の範囲で増加するとともに,異性化,不均化の反応速度は直線的に増加した。これらの結果から,ゼオライト触媒の活性点はゼオライトカチオンと塩化水素(または水)との相互作用により形成されるものと推測される。
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