工業化学雑誌
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C10,C11芳香族多成分系溶液におけるジュレンの過飽和溶解度
中村 悦郎小口 勝也中山 哲男
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1968 年 71 巻 1 号 p. 129-132

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抄録

ジュレンと沸点の接近しているC10,C11芳香族多成分系溶液におけるジュレンの過飽和溶解度(主として第2過飽和溶解度)と操作条件との関係について検討した。
冷却水の温度および流量は溶液の冷却速度に影響し,冷却速度が大きくなると過飽和溶解度は急激に大きくなり,やがて一定値を示す。
かきまぜ速度を大きくすると過飽和溶解度は小さくなる。これは生成した微細な結晶がかきまぜ翼により破壌され結晶核が多量に生成するためである。
種晶の少量の添加により過飽和溶解度は急激に小さくなるが,種晶の添加量が0.1wt%以上では過飽和溶解度の減少率は小さい。
ジュレンの濃度の減少により温度過飽和度は大きくなるが,それぞれの濃度において操作条件により影響されない限界値がある。この限界値を限界過飽和溶解度とすると,この値はジュレンの濃度いかんにかかわらずジュレンの結晶析出率が約10%になるような位置にあり,これらを結んだ限界過飽和溶解度曲線は1本の曲線で示される。

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