1968 年 71 巻 1 号 p. 142-146
三硫化モリブデン触媒を用い,ベンジルアルコール(I),ベンズアルデヒド(II)およびベンゾニトリル(III)の,水素圧30kg/cm2,温度160~250℃における水素化反応について検討した。
これら試料はいずれも水素化開裂をうけ易く,主としてトルエンを生成したが,一方においては二量体を副生した。特にIIからはペンゾイン,meso-ヒドロベンゾイン,trans-スチルベンおよびビベンジルのような二量体が比麟的に多く副生した。
みかけの初期反応速度はII>III>Iの順で,Arrheniusの式にしたがって求めたみかけの活性化エネルギーはそれぞれI:E160~220℃=14.3kcal/mol,II:E160~190℃=8.5kcal/mol,III:E200~250℃=3.9kcal/molであった。
反応あ初期においては,これら水素化反応はいずれの場食も水素圧に関してほぼ1次であり,また試料濃度に関してはそれぞれIIはほぼ1/2次,IおよびIIIは0次であった
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